① 特徴
シャム柿はカキノキ科の樹木ですが、一般的に食する柿とは種が異なります。
個性的で美しい「黒柿」に似た木目(杢)を持つことが最大の魅力です。
象牙色に近い明るい地色に、墨汁を流したような濃い灰色や
黒色の複雑な模様が不規則に入り混じります。
この模様は「縞杢(しまもく)」や「ムラ杢」と呼ばれ、
一つとして同じものがない、唯一無二の表情を生み出します。
また緻密で堅い材質を持ちながら、加工すると滑らかな手触りになり、
使用を重ねるごとに色が深まる「経年変化」を楽しめることも、
数珠の素材として人気の理由です。
タイ(シャム)など東南アジア原産であることと、
その木目が日本の珍重される銘木「黒柿」に似ていることから、
この名が付けられたと言われています。
② 仏教的観点・数珠としての意味
天然木の数珠は、自然の恵みから生まれたものとして、
持つ人の心を落ち着かせ、自然との調和や安らぎをもたらすとされています。
特にシャム柿の持つ複雑で一つとして同じものがない縞模様は、
「個性の尊重」、すなわち自分自身の持つ独特な縁や、
かけがえのない人生を慈しむという教えに通じます。
独特の黒い模様には魔除けや厄除けの力が宿ると信じられてきました。
邪気を払い、持つ人を守る力があると考えられています。