① 特徴
桑は、日本各地に自生する落葉広葉樹です。
最大の特徴は、使い込むほどに深まる「黄金色の光沢」にあります。削りたては明るい黄色をしていますが、年月を経て空気に触れ、使い込むことで、重厚感のある深い飴色へと劇的な変化を遂げます。この気品ある輝きは、古くから茶道具や江戸指物、将棋の駒などの高級材として、多くの文化人に愛されてきました。
また、木目が非常に美しく、緻密で硬質な質感は、手に持った際にしっとりとした重みと温かさを感じさせてくれます。長く愛用することで、唯一無二の「風格」が備わっていく素材です。
② 仏教的観点・数珠としての意味
桑は古来より「霊力が宿る木」とされ、特に「除災」や「延命」の象徴として尊ばれてきました。日本では、雷や災難を避けるためのおまじないとして「くわばら、くわばら」と唱える言葉がありますが、これも桑の木には不思議な力が宿り、災いを退けるという信仰に由来すると言われています。
また、漢方ではその実や葉、根に至るまでが重宝されることから、健康を祈念する「不老長寿」の守りとしての意味合いも強く持っています。そのため数珠としては、日々の厄除けとして身につけたいときや、健康への願いを込めたいとき、あるいは落ち着いた黄金色の輝きに心を鎮めたい方にふさわしい、慈しみ深い一連となります。