Less is more、 より少ないことでより多くを得る

「考えること」の向上をテーマに、コンサルティングをしてきたので、この本の「あまり考えない」というタイトルに逆に強い関心をいだきました。

『LIVE MORE THINK LESS』 (未翻訳) amazonはこちら

Live More Think Less

ほんの一部の要約

この本は、メンタルヘルスの研究結果について書かれているので、正しく理解するには、本記事だけでは到底カバーできません。全容にご興味ある方は本を読んでいただければと思います。

私が印象に残った部分を一部要約すると:ー

  • 英国の臨床心理学者 Adrian Wells氏の研究によると、反芻して考えつづけても、人は解決策にはたどり着けない
  • 考えや感情は、1日約30,000〜70,000個浮かんでくるが、かさぶたのように、自然と回復する性質を備えている
  • 反芻は、かさぶたをいじったり、はがしたりするのと似ていて、回復を遅らせる
  • 反芻が長引くと、電車の車両がどんどん増え、重くなるのに似ていて、ネガティブな感情で重く沈んだ状態に陥る
  • ネガティブな状態を引き起こす、ある特定の考えや感情をトリガーとして認定し、そのトリガーが浮かんできたら、その電車に乗らないよう、ホームで見送ることで、あまり考えない(THINK LESS)コトが可能になる

向上させる、という視点

コーチングを始める前は、より良く考えるには、次の変化を起こすのが良いと思い、そのようなプログラムを考えて提供していました。

  • 考える量:回数を増やす、容量を増やす
  • 考える手段:フレームワークの演習や、事例をインプットする
  • 考える精度:ロジックを訓練する

考えることをどう考えるか

しかし、現場でクライアントさんの相談にのっていると、問題は上記よりも、「自信がない」「正解がなにか分からない」「もっと担当者に自分で考えて欲しい」などでした。

つまり、考える能力をあげるというのは、機械的なパフォーマンスではなく、その人が「考えることをどう考えているか」が壁になっていました。

コーチングで起こっていること

コーチングを企業からご依頼いただく時、担当部門の方からは、「社員にもっと考えて欲しい」という要望をいただく事が多いです。

この本を読んで、コーチングで起こっていることは、実は、THINK LESS(あまり考えないコト)と似ていると、気がつきました。

つまり、コーチングを受ける方(以下、コーチイー)の普段している、電車が重く伸びる「考える」を減らして、プラットフォームに降り立ち、自分の考え方について考える。

「考え方を考える」ことは、なかなか1人では出来ないので、それを研修でコーチがサポートする。そういう役割だと改めて認識しました。

本の背景にあるサイエンス

『LIVE MORE THINK LESS』は、英国の臨床心理学者 Adrian Wells氏の研究が基になっています。Wells氏の研究を知った、Dr Pia Callesenが共同で臨床を行い、その考え方や事例が本で紹介されています。

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