くやしい想いをした時のアドバイス

昔、まだ仕事をし始めてまもなくの頃、自分の意図と違う事態が起き、とてもくやしい想いになりました。先輩にその想いを伝えたら、「会社で絶対に感情的になってはいけない」と言われ、社会人としての教訓とするように教えられました。

強い感情は現れる

感情的にならないようにする、これが、私が受けた社会人としての教えでしたが、どうやら私たちは、そういう作りになっていないようです。

最近のニューロサイエンスの研究では、脳には30,000〜70,000個の感情や考えが1日に出てくるそうです。そして、それは自然発生してくるとのこと。

感情の性質として、考え方でそれを規制をしたところで、出てこないようにすることは、出来ない。感情は現れる作りに、元々なっているというのが、サイエンスで分かってきた事です。

感情の取り扱い方のオプション

では、感情が出てくるものとして、扱うことにしましょう。

強い感情に乗っ取られた時、3つのオプションがあるとニューロリーダーシップ研究所では言っています。

表現する expression

人が感じている怒りや悲しみの強い感情を表現することは、一種の安堵や軽減を与えてくれます。デメリットは、ドラマチックな状態のまま渦中に立ち往生状態になる点です。

抑制する suppression

強い感情を抱いたとき、感情へのリアクションを抑える。これは一般的に行われていることですが、感情の抑制は、その感情をさらに強いものにしてしまう事が研究で分かってきています。(Ochsner, 2008)

ラベリングという方法

3つ目のオプションは、ラベリングです。ラベリングは、感情にぴったりの言葉をみつけて、名前をつけます。1、2語で表します。

白い液体が入ったボトルに名前をつける

例えば、沈んだような感じに、「深い井戸」と名付けます。もしくは、メラメラと感じている怒りに「ハワイの火山」と名前をつけます。

ラベリングがなぜ助けになるか

ラベリングを行った時、脳では、次のことが起こっているそうです。

  • 外部からの刺激を脅威だと受け取るAmygdrala(アミグドラ)という部位の活動が減り
  • その代わりに脳のブレーキ装置の部位が活動が増す(Lieberman, 2009)

つまり、ラベリングすることで、強い感情を押し上げていたモノが、脳内のブレーキが作動して減っていく。そんな事が起こっているのです。

抑えようとするより、名前をつけて話してみる

感情は取り扱いにくいものだと、自らの経験から知っていますが、どう扱ったらよいか、学ぶ機会は社会人になってからめったにありません。

そんな人が大勢同じ場所で一緒に働いているのです。

感情は現れるものだ、とすることで、取り組めることがあります。

冷静とは、感情が沸いてこないことではなく、無理なく脳内のブレーキをかかるよう、感情を取り扱える事です。

強い感情には、ぜひラベリングを試してみてください。

参考文献:

Live More Think Less by Pia Callesen

Why Buddhism is True by Robert Right

Neuroleadership Institute, Brain-Based Coaching Work Book

Lieberman, 2009 The Brain’s Breaking System

Ochsner, 2008 Cognitive Emotion Regulation: Insights From Social Cognitive and Affective Neuroscience

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